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戦略立案コンサル事例〜クール・ジャパン戦略推進〜
A.T. カーニーが行った「クール・ジャパン戦略推進」について
こんにちは。HARUKIです。
本日は、コンサルティングファームの代表的な事例である「戦略立案補助」について詳しく説明します。ただし、一般的な事例だと非常に概念的な話になりやすいので、一般公開されている、A.T. カーニーが経済産業省を補助した「クール・ジャパン戦略推進」の例を元に詳細を説明します。
参考:平成22年度 クール・ジャパン戦略推進事業 'メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他分野への波及効果調査
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/hokokusho_contents_110520.pdf
まずはクライアントからのコンペで提案をし案件獲得
まずは提案からです。今回はクライアントが国で確実にコンペを行う性質のクライアントのため非常にわかりやすいですが、トップ戦略コンサルに依頼するときのコンサルティング料金は、数千万円〜億円くらすになるケースが多いため、ほぼ確実にコンペになります。3ヶ月に1回くらいグループのどこかが特定のファームに依頼するときは、コンペにならないこともあります。
外資系コンサルティングファームのパートナーやマネージングディレクターが、クライアントの発注者(ほぼ役員)に対して、営業をかけてプリンシパルやディレクタークラスとともに資料を作成します。資料はだいたいパワーポイントで20枚くらいのもので、1〜2週間くらいで仕上げます。もちろんコンペ時に使用する提案用の資料なので
・コンサルティングファームの紹介
・プロジェクト時に行う提案内容(概要クラス)
・プロジェクトメンバー
・スケジュール
・他ファームと比較した際の、アピールポイント
・金額
を入れて提案します。
この提案書はクライアントとファームの組み合わせでかなり色がでますが、今回のような国相手だと1Pにたくさんの情報がある資料が好まれるので、かなり細かく資料を作ります。*国は本当に細かくかつ金額もそこまで大きないので、コンサルティングファームからすると収益性だけだと他のクライアントの方が良いケースが多い。
案件獲得後は、クライアントとのキックオフミーティングと社内アサイン
案件獲得後は、だいたい3ヶ月くらいの期間をもとに戦略策定と提案書のアウトプットが必要なので、かなり急ぎます。
まずは、クライアントとの主要メンバーとステアリングコミッティーという「クライアントとコンサルのメンバーが各役職ごとにペアをとり案件をリードしていく」仕組みを用いて、ペアをつくり(クライアント役員⇄コンサルパートナー、クライアント部長⇄コンサルマネジャーのような形が多いです)、まずはお互いの認識をすり合わせるために、キックオフミーティング(場合によっては親睦会も)を実施します。
そのまえに、社内で案件の難易度や重要度とコンサルの稼働をみて、案件アサインを実施します。
*今回のケースだと、経済産業省の官僚とコンサルのパートナーがタッグを組みます。テーマ的に非常に重いので、経済産業省の事務次官とA.T.カーニーの梅澤さんがタッグを組んでいることが想像されます。
コンサル社内で仮説構築をしてクライアントへの1次インタヴューを実施
ここからは、急激に忙しくなるのですが、まずはコンサル社内でプロジェクトの解を出すための仮説構築を実施します。今回のケースだと、「クールジャパン戦略で日本の収益向上」というテーマなので、「そもそもクールジャパンの定義」・「何を持って成功とするか」等を決めて、それに対しての仮説構築をしてインタヴューワーを決めます。
今回のケースだと「メディア・コンテンツ事業と周辺領域の波及効果」なので、あまりインタヴューワーが重要ではないのですが、以前調べた省庁の人にヒアリングを実施していたり、この調査の後の行動等を管理している経済産業省の事務次官等へのヒアリングを実施していることが想定されます。
調査結果を持って仮説の確度をたかめ、再度仮説構築→検証の繰り返し
ここからは、上記のように仮説構築と検証をひたすら繰り返す形になります。3ヶ月でアウトプットをださないといけないため大忙しです。
*本例は実は比較的楽なコンサルで、インタヴューはそこまで多くなく、デスクトップリサーチがメインになっています。実際ヒアリングでは「大手版権エージェントヒアリング」しか資料上にでておらず(*もちろん他にもっとあるはずですが)、比較的楽な案件です。ひどい場合は、海外の各拠点を実地調査をかねて毎日ヒアリングするケース等もあり、飛行機で毎日寝ないといけない場合もあります。
中間報告等を実施し、最終報告を実施
相当高いお金を払っているため、ほぼ全てのプロジェクトでクライアントの発注責任者に対して中間報告があります。*もちろんクライアントの担当者への事前確認は、かなりの頻度で実施。
そこで確実に修正が入るので、それを元に仮説を直して、最終報告書にまとめてクライアントに提出します。
*今回のケースは101ページですが、国なのでおそらく参考資料等を大量に提出しているはずです。
とにかく忙しい
上記のようにとくかくタイトなスケジュールを練ってアウトプットを出しているので、忙しいのが戦略コンサルになります。
ただし、やっていることは本当に面白く、頑張れるグローバルエリートであれば、ぜひお勧めをする職場です。
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